めっき加工業者一覧
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ここでは、めっきの基礎知識について学んでいきます。
めっき加工がどのような目的で使われ、どのような種類があるのか。そしてめっき加工を発注する際に知っておくべき項目などを紹介しているので、めっき加工により業務の現状を打開したい企業担当者は、ぜひ参考にしてください。
めっき加工とは金属やプラスチックなどの素材に金属膜を生成する加工方法のこと。仏教とともに日本に伝来し、多くの場合、仏像の表面を金めっきで覆うなどに使われていました。紀元前1500年のメソポタミア文明時代という、遙か昔より用いられてきた技術で、現在は電気機器などの工業製品に多く採用されています。
めっき加工の用途はさまざまですが、めっきが持つ特性を素材に付与することで、寿命を延ばしたり、活用の幅を広げたりすることが目的です。
めっき加工の主な種類は以下の3つです。
めっき加工業者に依頼する前にチェックすべき注意点についてまとめました。
めっき加工を
発注する時に
事前に知っておきたい
ことを詳しく見る
金めっきは、文字通り素材の表面に金属の「金」を析出させるめっき加工技術です。金めっきを施すことで、機能的な金のメリットを素材へ付与できる上、金が持つ視覚的な美しさなどのメリットを獲得できることも強みです。また、金は高価な金属であり、製品の全てを金で製造するとコストが高くなるため、表面だけを金めっきで代用するといった使われ方もします。
亜鉛めっきは鉄の表面に亜鉛の皮膜を付着させる表面処理加工技術です。亜鉛めっきを施すことで、素材の鉄が空気や水に直接触れないようにでき、錆や腐食を予防することができます。また、亜鉛めっきを施された鉄には「犠牲的防食作用」という化学反応が影響し、めっきの一部が剥がれても亜鉛が優先的に酸化して鉄の錆を防ぐことが特徴です。
ニッケルめっきとは、ニッケルの金属化合物を利用して行うめっき加工の総称です。ニッケルめっきには大きく「電解ニッケルめっき(電気ニッケルめっき)」と「無電解ニッケルめっき」の2種類があり、さらにそれぞれのニッケルめっきは用途や作業工程、使用する素材などによって複数のめっき加工へ細分化されていることもポイントです。
銅めっきは銅化合物を利用して製品に特性を持たせるめっき加工です。古くから装飾クロムめっきの下地として活用されてきた歴史を持ち、昭和30年頃には光沢シアン化銅めっきが盛んでした。また、その後は光沢性などに優れたピロリン酸銅めっきや硫酸銅めっきなどの開発も進み、装飾用や工業用など複数の用途で使い分けられてきた点が特徴です。
硬質クロムめっきとは、クロムを用いるめっき方法のなかでも特に硬度Hv850~1000以上を誇る硬いめっきを指します。一般的に、硬質クロムめっきは電気めっきのなかで最も硬度の高いめっきとされており、耐久性や耐摩耗性を追求したい場合などに用いられるめっきです。主成分として無水クロム酸(三酸化クロム)が含有されており、そこへ触媒混として硫酸が微量に添加されています。
錫めっきとは、文字通り「錫(すず:Sn)」が使われている電気めっきです。錫は232度で溶け始める融点の低い金属であり、はんだ濡れ性にも優れていることが特徴です。また、耐食性に優れている上、展延性に富んで柔らかいことも強みとなっています。人体に対して毒性が低いことも特性であり、幅広い分野の製品で活用されています。
銀めっきとは、様々な素材の表面に、金属元素である「銀」を析出させる技術です。銀めっきは通電性に優れている上、銀食器やアクセサリーなど高級感を持った製品の演出として活用されていることも特徴です。
ハンダ付け性に優れて人体にも優しいため、銀めっきは多方面で活用されているめっき加工となります。
無電解ニッケルめっきは、電気を使うことなく素材の表面にニッケルの被膜を析出させるめっき技術です。耐食性や耐摩耗性に優れており、複雑な形状を持った対象物であっても均一のめっき被膜を獲得しやすいといったメリットがあります。
など、添加物の量などによって「低リン」「中リン」「高リン」といった種類に分類されます。
電解めっきは電気の力を活用してめっきする技術であり、無電解めっきは電気を使う代わりに化学薬品による化学反応の作用を使ってめっきする技術です。
コスト面やめっきスピードなどに関してメリットの多い電解めっきに対して、無電解めっきはめっきの品質や絶縁性のある物質にもめっきできるといったメリットがあります。
それぞれのめっき加工の仕組みを理解して、自社のニーズに適したものを見つけていってください。
電気や化学反応の作用によって、対象物の表面に金属被膜(めっき被膜)を形成するめっき加工に対して、塗装は塗料を対象物の表面に塗ったり吹き付けたりすることで塗装膜を形成します。
めっきはめっき液へ対象物を浸して加工しますが、塗装は手塗りやスプレー、吹きつけ機械などを活用してめっき液やめっき槽などを使わずとも現場作業を行えることが特徴です。
ここでは、めっきと塗装の違いや、それぞれのメリット・デメリットなどをまとめました。
対象物の表面にめっき被膜(金属被膜)を形成するめっき加工に対し、アルマイトは電気分解の仕組みを活用して、アルミニウムの表層に酸化皮膜を生成することが違いです。
めっき加工は様々な金属や樹脂などへ行える表面処理加工ですが、アルマイトはあくまでもアルミニウムを対象として用いられる表面処理加工です。
アルマイトはアルミニウムにおける代表的な表面処理加工であり、まずはその特性やめっきとの違いを把握しておきましょう。
ステンレスは含有しているクロムなどの影響で表面に不動態皮膜が形成されており、めっき品質を安定させるためには適切な工程で不動態皮膜を処理しなければなりません。ここではステンレスへのめっき加工について解説しています。
酸素と反応しやすいアルミニウムは、素材の表面に酸化被膜を形成しやすく、めっき加工における難素材として知られています。アルミニウムへめっき加工を行う際の前処理や、めっき加工のメリットなどについてまとめました。
チタン(Ti)は軽量で耐久性や耐食性に優れた金属元素であり、チタンの酸化物である酸化チタンは様々な分野で利用されます。またチタン素材の表面にめっき加工を行うことで、さらに機能性を追加することも可能です。
黒皮材とは、鉄鋼材料を熱間圧延加工した際に生じる表面の酸性皮膜で、黒い皮のような見た目をしていることからそうと呼ばれています。黒皮材には凹凸があり、塗装の密着強度にも乏しいことから、黒皮が付いたままの加工はできません。黒皮材にめっき加工を施す際の手順や注意点について解説しています。
化学研磨は砥石や研磨機の代わりに化学薬品へ金属素材を浸して、表面を平滑に仕上げる表面加工の1種です。化学研磨は複雑な形状のワークにも対応し、切削屑が発生しないなど機械研磨とは異なるメリットを得られます。