めっき加工業者一覧
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このページでは、電気を使って対象の表面に皮膜を形成する電解めっきと、電気を使わずにめっきを施す無電解めっきについて、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットなどを解説しています。
電解めっきは「電気めっき」とも呼ばれ、電気の力を使って対象物の表面にめっきを施す技術です。
電解めっきでは、電気を通す電解液の中に金属などを浸し、そこへ通電して目的の金属などを析出させます。なお、電解液にめっき金属が溶ける場合(可溶性金属)でなければ電解めっきが困難になることもポイントです。
例えば金や白金といった不溶性金属にめっきを施す場合、事前に塩化白金酸やシアン化金カリウムといった物質を使って、電解液が金属を溶かせられる状態にしておかなければなりません。
電解めっきのメリットの1つとして、比較的コストを抑えやすいという点があります。そのため、量産品などのめっきを目的とする場合、電解めっきが有用となることもあるでしょう。
電解めっきにおいて、めっき可能かどうかを考えるポイントは、めっきする金属が電解液に溶ける状態にあるかどうかです。また、たとえ不溶性金属として電解液に溶けにくい性質を持っていても、他の薬品などを使って処理できる可能性もあります。
電解めっきは厚めのめっきを施せる上、めっきにかかる時間を短くしやすいということも重要です。
電解めっきのデメリットとして大きなものの1つが、対象物の全体に均一な厚さのめっきを施しにくいという点が挙げられます。
厚めのめっきを施せるという点が電解めっきのメリットですが、全体で厚みを一定に保ってめっきすることが困難なため注意が必要です。
電解めっきでは複雑な形状や、精密なデザインを持った製品のめっきにはあまり適していません。
電解めっきはローコストかつ迅速な生産ラインを構築しやすい反面、複雑な対象物にはめっきしにくいというデメリットがあります。
電解めっきでは、加工時や加工後にバリ、焦げ、ピンホールといった不良要因が発生しやすいことも重要です。
無電解めっきとは、電気を使うことなく化学反応を起こして、対象物の表面に目的の金属などを析出させるめっき技術の総称です。
電解めっきの場合、電気の流れる物質にしかめっきを施すことができませんでしたが、無電解めっきであれば絶縁性を持っているものであってもめっきすることが可能となります。
なお、電気でなく化学薬品の作用と反応によってめっきするため、無電解めっきは「化学めっき」と呼ばれることもあります。
無電解めっきのメリットとして最初に挙げられるものは、電気を通さない物質や素材に対してもめっきできるという点でしょう。そのため、電解めっきでは難しいとされていた素材や製品に対してもめっきできるので、様々な業界や製品を対象として無電解めっきが活用されています。
無電解めっきの特徴として、電解めっきよりも精度の高いめっきを施しやすいという点も挙げられます。
めっきの厚さを均一に保ちやすく、複雑な形状や多角形の物体に対しても一度にまとめてめっきできるため、品質や生産性といった点でメリットを持つことは重要です。
無電解めっきでは専用の治具を製作する手間を省けるため、全体の納期を短縮して迅速な納品を叶えやすいこともメリットです。
化学反応によってめっきする無電解めっきでは、化学反応を維持できるための温度をめっき液においてもキープしなければなりません。また、めっき液の組成変化が起こりやすく、添加物の量も含めて管理が難しくなってしまいがちです。
無電解めっきではめっき液の温度をおよそ90度付近で維持します。そのため、熱に弱い素材や、熱によって変性しやすい製品などを無電解めっきでめっきすることはできません。
電解めっきと比較して、無電解めっきの方が高価な材料を使わなければならず、析出速度も遅くなることがポイントです。
そのため、特級納期や低コストといったニーズには不向きな場合もあります。
電気の力でめっきする電解めっきと、電気を使わず化学反応の作用でめっきする無電解めっきでは、それぞれに金属が析出する仕組みやメリット・デメリットなども異なります。
ローコストで迅速な納品を希望するなら電解めっきが有利ですが、高品質なめっきを追究するのであれば無電解めっきが相応しい場合もあるでしょう。
まずは両者の特性を理解した上で、目的のニーズとマッチングさせることが大切です。