亜鉛めっきとは

亜鉛めっきとは

亜鉛めっきは鉄の表面に亜鉛の皮膜を付着させる表面処理加工技術です。亜鉛めっきを施すことで、素材の鉄が空気や水に直接触れないようにでき、錆や腐食を予防することができます。また、亜鉛めっきを施された鉄には「犠牲的防食作用」という化学反応が影響し、めっきの一部が剥がれても亜鉛が優先的に酸化して鉄の錆を防ぐことが特徴です。

なお、亜鉛めっきでは基本的に後処理として化成処理が必要となります。

亜鉛めっきの特性

高い防錆効果がある

亜鉛めっきの特性の1つが、高い防錆効果です。亜鉛めっきには単純に皮膜で素材を覆うことによる防錆効果と、犠牲的防食作用による防錆効果があり、Wの防錆効果によって素材金属の品質や特性を保護することができます。

ただし、犠牲的防食作用はあくまでも亜鉛が優先的に酸化することで、素材への腐食を防ぐ反応である上、後処理をしなければ亜鉛が空気中の酸素ですぐに酸化してしまいます。

亜鉛めっきの種類

亜鉛めっきには大きく分けて、電気を使う「電気亜鉛めっき」と、電気を使わない「溶融亜鉛めっき」の2種類があります。

電気亜鉛めっきとは

電気を用いて亜鉛めっきを施す方法です。電気亜鉛めっき槽の中に対象の製品や部品を浸して、電気を流すことで、めっき槽の中にある亜鉛が製品の表面へと析出します。電気を通しやすい鉄を素材とすることで、全体的に均一なめっきを施すことができ、外観の美しさを高めやすくなっていることが強みです。

電気亜鉛めっきは主として装飾めっき目的で活用されます。

電気亜鉛めっきのメリット

電気亜鉛めっきのメリットとしては、上述したように電気を流して亜鉛を付着させられるため、均一な皮膜を全体的に形成できることが挙げられます。また、比較的複雑な形状の製品であっても、全体に電気を流せるものであれば亜鉛を析出させられるので、細かな製品や部品に対しても使用することが可能です。

電気亜鉛めっきは一般的に鉄製品へ用いられるめっき加工であり、自動車産業や製造業など様々な業界で利用されています。

電気亜鉛めっきのデメリット

電気亜鉛めっきでは通常、約2～25μmの薄い皮膜しか形成できません。基本的に、めっき皮膜が厚ければ厚いほど素材の防錆効果やめっきの耐久性が向上するため、電気亜鉛めっきは防錆効果や耐久性を重視する場合には不向きです。なお、防錆効果など機能的なメリットを追求したければ、溶融亜鉛めっきを検討することが基本です。

溶融亜鉛めっきとは

電気亜鉛めっきに対して、溶融亜鉛めっきでは亜鉛の皮膜形成に電気を用いる必要がありません。溶融亜鉛めっきは亜鉛めっき槽へ鉄素材を浸して、化学反応を利用して皮膜を形成させます。

電気亜鉛めっきと比較して皮膜が厚くなりやすく、防錆目的で使用されることが一般的です。

溶融亜鉛めっきのメリット

溶融亜鉛めっきの場合、形成される皮膜はおよそ50～100μmとなっており、電気亜鉛めっきよりもかなり分厚くなることが特徴です。そのため、溶融亜鉛めっきは電気亜鉛めっきよりも防錆性に優れており、耐久性や耐候性が重視される製品・部品に対して利用されます。

なお、めっき槽へ沈められるサイズや形状であれば溶融亜鉛めっきを施せる上、パイプなど管になっているものも内側までめっきを施すことが可能です。

溶融亜鉛めっきのデメリット

溶融亜鉛めっきは厚い皮膜による物理的な防御性能と、犠牲的防食作用による化学的な防御性能で、二重に防錆効果を発揮しますが、電気亜鉛めっきよりも全体的に均一なめっきを施すことが難しくなります。そのため、あくまでもデザイン面を重視して亜鉛めっきを施す場合、電気亜鉛めっきを選択することが通常でしょう。

電気亜鉛めっきと溶融亜鉛めっきの違い

電気を使うかどうかや、皮膜の厚さなどが電気亜鉛めっきと溶融亜鉛めっきの違いですが、亜鉛めっきではさらに気を付けるべきポイントもあります。

亜鉛はそもそも酸化しやすい物質であり、単にめっきを施しただけでは空気中の酸素と簡単に結びついて酸化してしまいます。そのため、特に皮膜の薄い電気亜鉛めっきでは、亜鉛の耐食性や耐熱性を高める目的で「ユニクロめっき」や「三価クロメートめっき」といった後処理を施さなければなりません。

亜鉛めっきに対応しているめっき加工業者

日本電鍍工業

引用元：日本電鍍工業 公式サイト（https://nihondento.co.jp/）

日本電鍍工業は一般の顧客だけでなく、同業他社であるめっき加工会社からの依頼が大半を占める、めっき加工メーカーです。小さなサイズの部品から大サイズの部品まで幅広い対象物へのめっき加工を取り扱っており、ラックめっき装置を使えば最長1800mm（最大200kg）という大型対象物にまで自動めっき加工が可能となっています。

24時間体制でのオートメーション化も実現しており、短納期ニーズにも柔軟に対応してくれます。

日本電鍍工業が対応しているめっき

日本電鍍工業の会社概要

サン工業

引用元：サン工業 公式サイト（https://www.sun-kk.co.jp/）

サン工業は独自のめっき加工技術の研究開発に取り組んでおり、様々なめっき加工によって幅広い業界や分野へ技術提供を行っています。また、2021年には抗ウイルス・抗菌めっき技術の特許申請を行うなど、人の体や健康に対しても責任感のある技術開発を進めていることが魅力です。また、めっきの種類ごとにサンプルの試作をオーダできるため、始めてサン工業へめっき加工を依頼しようとしている人にも安心です。なお、相談すれば希少貴金属のサンプルも可能です。

サン工業が対応しているめっき

サン工業の会社概要

九州電化

引用元：九州電化 公式サイト（https://www.k-denka.co.jp/）

九州電化では大サイズのめっき加工を得意としており、銅めっきであれば長さ2m、重さ1tを超える大型医療器にもめっき加工を施すことが可能です。また、めっき加工の経験を有する専門家が所属しており、単にめっき加工の技術を追求するだけでなく不良品を発生させないように生産管理までトータルでマネジメントしていることも強みでしょう。

独自のめっき加工技術の開発にも取り組んでおり、反射率ゼロを叶える黒クロムめっきなど様々な技術が用意されています。

九州電化が対応しているめっき

九州電化の会社概要

朝日鍍金工場

引用元：朝日鍍金工場 公式サイト（http://www.asahi-mex.co.jp/）

朝日鍍金工場はめっき加工技術の中でも「亜鉛めっき」に特化した技術を提供している、亜鉛めっき加工の専門メーカーです。大量生産に対応した自動ラインでの亜鉛めっきから、経験を積んだ職人による手作業でのめっき加工まで柔軟に対応しており、亜鉛めっきに加えたクロメート処理を行えることも見逃せません。

めっき加工そのものは亜鉛めっきのみですが、クロメート処理によるバリエーションが豊富に用意されており、目的に合わせたパターンを提案してもらえます。

朝日鍍金工場が対応しているめっき

朝日鍍金工場の会社概要

朝日工業

引用元：朝日工業 公式サイト（http://www.asahione.co.jp/）

電気亜鉛めっきや溶融亜鉛めっき、りん酸亜鉛化成皮膜処理といった加工技術を中心として、金属素材だけでなくプラスチックやセラミックといった難素材にもめっきを施せることが強みです。また、めっき加工だけでなく皮膜処理や焼き付け塗装までワンストップサービスとして提供できるため、コスト削減や納期短縮といったニーズにも柔軟に対応してくれることは重要でしょう。

朝日工業では防錆前処理加工を重視しており、汚れを除去してめっき品質の向上を目指します。

朝日工業が対応しているめっき

朝日工業の会社概要

吉野電化工業

引用元：吉野電化工業 公式サイト（https://www.yoshinodenka.com/index.html）

難素材や特殊素材へのめっき加工を得意としており、2色成形品の特定部位だけをターゲットとしためっき加工も実現できます。セラミックやガラス、カーボンファイバーといった素材へのめっき加工も行っており、ナノダイヤモンドやシリカゲルの微粒子を活用した複合めっき加工を提供できることも重要です。

また、めっき加工を請け負うだけでなく、めっき加工に活用できる治具の開発にも力を入れており、同業他社からの依頼でめっき加工治具を製造している点も特徴です。

吉野電化工業が対応しているめっき

吉野電化工業の会社概要

旭鍍金

引用元：旭鍍金 公式サイト（https://www.asahimekki.co.jp/）

クライアントの低コスト化や短納期・高品質ニーズへ対応できるよう、専用めっき加工装置を自社開発しており、めっき加工から表面処理加工までワンストップサービスで提供しています。また、生産管理システムを導入しており、依頼品をバーコードを使って一元管理することで効率的かつ安定した生産工程をマネジメントしていることも特徴です。

高耐食性めっきプロセスに関する研究開発にも力を入れており、時代に合わせた新技術の実用化を目指しています。

旭鍍金が対応しているめっき

旭鍍金の会社概要

阪神鍍金精工所

引用元：阪神鍍金精工所 公式サイト（http://hanshin-m.jp/）

阪神鍍金精工所では大量生産から試作開発や小ロット生産まで対応できるよう、「試作・開発型 専用小型めっき装置」をテストラインとして導入しており、様々なめっき加工をクライアントのニーズに合わせて具体的に提案できる体制を構築しています。また、複数のアプローチによる品質試験や検査を実施しており、信頼できるめっき加工技術だけを提供していることも重要です。

大サイズのめっき加工については全自動装置によるオートメーション化が実現されています。

阪神鍍金精工所が対応しているめっき

阪神鍍金精工所の会社概要

大倉

引用元：大倉 公式サイト（http://okuramekki.com/）

1948年に創業された大倉は、鉄素材への亜鉛めっきに特化しためっき加工技術を提供している、亜鉛めっき専門のめっき加工メーカーです。鉄素材を専門としつつ、実際のめっき加工の前には入念な打合せとめっきテストを行っており、クライアントの目的やニーズを少しでも高いレベルで叶えようとする姿勢は見逃せません。

大倉は、法人はもちろん個人でも依頼することが可能となっており、鉄以外の素材へのめっきが必要な場合、提携している会社と一緒にサポートしてくれます。

大倉が対応しているめっき

大倉の会社概要

新日本金属工業

引用元：新日本金属工業 公式サイト（http://www.shinnihon-kinzoku.co.jp/）

表面処理加工とダイカストに対応している新日本金属工業では、自社開発した無公害全自動生産ラインを活用して、環境にも配慮しためっき加工を提供しています。また、機能めっきだけでなく装飾めっきの開発にも力を入れており、色調や質感といった仕上がり条件が異なる装飾めっきを5種類用意していることも特徴です。

大規模な依頼にも柔軟に対応しており、少量生産から大量生産まで幅広いリクエストへ応えられる体制は見逃せません。

新日本金属工業が対応しているめっき

新日本金属工業の会社概要

ここまで、亜鉛めっきについて紹介してきました。亜鉛めっきについてより詳しく知りたい方は、下記の別サイトで確認できます。ぜひチェックしてみてください。

亜鉛めっきについて
より詳しく知りたい方はこちら
「めっきのめ」

亜鉛めっき以外のめっき処理の種類

• ニッケルめっきとは
• 無電解ニッケルめっきとは
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• 硬質クロムめっきとは
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