錫（スズ）めっきとは

錫（スズ）めっきとは

錫（スズ）めっきとは、文字通り「錫（スズ：Sn）」が使われている電気めっきです。

錫は232度で溶け始める融点の低い金属であり、はんだ濡れ性にも優れていることが特徴です。また、耐食性に優れている上、展延性に富んで柔らかいことも強みとなっています。

人体に対して毒性が低いことも特性であり、幅広い分野の製品で活用されています。

錫（スズ）めっきの特性・メリット

柔軟性と潤滑性に優れている

とても柔らかく展延性に優れている錫は、めっき加工を施した後も柔軟性を保っており、めっき後に改めて変形させることができます。また、錫めっきによって加工された物体は表面の摺動性が高められており、製品同士の摩擦によるダメージを和らげられることもメリットです。

はんだ付け性に優れている

融点が低い錫は、はんだ付け性に優れていることも特徴です。

かつて電子部品のはんだめっきには錫と鉛の合金が使用されていましたが、鉛は人体に対して有害な物質で使用にも制限があります。

錫は人体への毒性が低く、電気的特性も得られることから、はんだの代替品として使われています。

毒性が低い

錫のなかでも、錫めっきに使われる錫は「無機錫（無機スズ）」と呼ばれる物質であり、人体に無毒であることが特徴です。そのため、錫めっきは人が日常的に使用する製品についても使用することができ、食器や調理器具、衣服のボタン、アクセサリーなど幅広い製品に用いられています。

なお、「有機錫（有機スズ）」には毒性がありますが、錫めっきには使用されません。

耐食性に優れている

鉄などの金属と比較して、錫は耐食性に優れており、その点からも錫めっきは食器や各種製品へ採用されています。

加えて、鉄鋼材の窒化処理を行う際に、窒化させたくない部分へ錫めっきを施すなど、窒化防止の性質を備えていることも特徴です。

錫（スズ）めっきのデメリット

ウイスカが発生しやすい

ウイスカとは、錫の単結晶から生成されるヒゲ状の突起です。

錫めっきにはウイスカが発生しやすいというデメリットがあり、事前にウイスカ対策を施しておかなければ表面に突起が発生してショートなどトラブルの原因になりかねません。

ウイスカ対策はメーカーごとに方法があり、コストや効果などを比較検討することが必要です。

そのほかのデメリット

錫は柔らかく、硬い物質によって簡単に傷が付きやすいという点がデメリットです。そのため、耐食性に優れた錫めっきですが、皮膜が傷つけられて下地が露出してしまえば、むしろ錆びやすくなってしまうリスクがあります。

また、融点が低いことは高温下で使用できないという点も事実です。その他にも経年による変色が生じることもあります。

錫（スズ）めっきの用途

錫めっきの用途は幅広く、例えばナイフやフォーク、皿といった食器の美観を整えたり、缶詰を製造したりするために使用されます。ただし、傷が付きやすく変色しやすいこともあり、比較的安価な製品に使われることもポイントです。

また、はんだ付け性に優れていることから様々な電化製品や電子部品において、はんだめっきの代替品としても使用されます。

その他、自動車や機械設備の軸受部品のめっきにも使われることが特徴です。

錫めっきのめっき浴の種類

錫めっきのめっき浴は、大きく酸性浴とアルカリ浴の2つに分類されます。

酸性浴とアルカリ浴はそれぞれに特性やメリットが異なっており、目的に応じて使い分けられます。

なお、ガラスやセラミックのように化学的に浸食されやすい素材については中性浴が用いられることもあるでしょう。

アルカリ浴（アルカリ性錫めっき）

錫めっきのアルカリ浴には「錫酸塩浴」などがあり、付き回り性に優れていることが特徴です。反面、めっき速度が酸性浴の半分程度しかなく、外観の光沢性を得られないといったデメリットもあります。

加工に時間がかかる上、高温下での処理を行わなければならず、アルカリ浴は相応の技術や注意が必要になることもポイントです。

酸性浴（酸性錫めっき）

酸性浴はめっき速度が速く、無光沢・半光沢・光沢と外観の仕上がりを調整しやすいことが特徴です。また、常温でのめっき加工が可能になっており、扱いやすい点も見逃せません。

一方、酸性浴は付き回り性においてアルカリ浴よりも悪く、硫酸浴などを使用することから素材によっては腐食されてしまうことも事実です。

錫（スズ）めっきに対応しているめっき加工業者

日本電鍍工業

引用元：日本電鍍工業 公式サイト（https://nihondento.co.jp/）

日本電鍍工業は様々な業界の法人や団体をクライアントとしているだけでなく、同業他社であるめっき加工会社からも数多くのめっき加工依頼を請け負っている、めっき加工の専門会社です。自社による設備や技術だけではクライアントからの発注に対応できないというめっき加工会社に対して、つちかってきた独自のノウハウを活用してめっき加工サービスを提供しているうえ、小さなサイズから大きなサイズまで柔軟に対応できます。

日本電鍍工業が対応しているめっき

日本電鍍工業の会社概要

黒坂鍍金工業所

引用元：黒坂鍍金工業所 公式サイト（http://www.kurosakamekki.com/）

黒坂鍍金工業所は東京都鍍金工業組合に所属しているめっき加工会社であり、錫めっきを含めて少量多品種のめっき加工や試作など複数のめっき依頼に対応しています。また、ネジやナットといった小さなワークにもめっき加工を施せるうえ、短納期ニーズにも柔軟に対応してくれることがポイントです。その他、粉末上めっきも得意としており、カーボン粉やテフロン粉、セラミック粉といった複数の素材を活用して粉末上めっき加工を行います。

黒坂鍍金工業所が対応しているめっき

黒坂鍍金工業所の会社概要

イソガイ

引用元：イソガイ 公式サイト（http://www.isogai.co.jp/）

イソガイではクライアントのめっきニーズに合わせて適しためっき加工プランを提案してくれるめっき加工会社です。取り扱っている表面加工として電気めっきと表面塗装を主なサービスにしており、難素材のめっきや複雑な形状のワークにも柔軟にめっき加工プランを構築してくれます。品質マネジメントの国際規格としてISO9001認証も取得しており、グローバルスタンダードの品質管理体制を構築してクライアントのオーダーに応えています。

イソガイが対応しているめっき

イソガイの会社概要

サン工業

引用元：サン工業 公式サイト（https://www.sun-kk.co.jp/）

サン工業では数多くのめっき加工技術を取り扱っているめっき加工会社であり、常に新しい技術やめっき手法の開発にも取り組んでいます。対応可能なめっき加工の種類が多いために、クライアントから試作やサンプルのオーダーを受けた際には複数のめっき加工を比較検討するうえでも役立つでしょう。新しい商品についてどのようなめっき加工や表面処理が適しているのか、専門家の立場で開発のアドバイザーになってくれることも強みです。

サン工業が対応しているめっき

サン工業の会社概要

常木鍍金工業

引用元：常木鍍金工業 公式サイト（http://www.tsuneki-mf.co.jp/）

常木鍍金工業では単一素材を活用しためっき加工に加えて、複数の素材を組み合わせた複合めっきを得意としています。製品ごとの適性やニーズに合わせてめっき加工プランを提案してもらえるため、銅-スズ-亜鉛めっきといったニッケルフリーめっきを希望することも可能です。多品種少量生産や試作にも柔軟に対応してくれる他、新しい技術や素材、製品といった次世代技術に関するめっき加工のハイブリッドもプロとしてサポートしています。

常木鍍金工業が対応しているめっき

常木鍍金工業の会社概要

神谷理研

引用元：神谷理研 公式サイト（https://www.kamiyariken.co.jp/）

神谷理研はめっき加工関連設備の導入や積極的なめっき加工環境の構築に取り組んでいることが特徴です。これにより、試作1個から大量生産まで自社一貫体制でめっき加工に対応できる体制が構築されており、短納期ニーズや低コスト化ニーズといったクライアントの要望にも寄り添えるようになっています。錫めっきとニッケルめっき、クロムめっきなどを組み合わせたハイブリッドタイプのめっきも得意としており、新素材の開発にも貢献します。

神谷理研が対応しているめっき

神谷理研の会社概要

丸長鍍金

引用元：丸長鍍金 公式サイト（https://www.marcho-g.co.jp/）

丸長鍍金は自社研究所において様々な分析装置や検査装置を導入しており、めっき加工の品質や性能の検査研究に取り組んでいます。これによってクライアントの既存製品におけるめっき適性を詳細に分析できる他、自社開発した新しいめっき加工やめっき製品の品質評価も客観的に行っていることがポイントです。自動車業界や光学機器業界、精密機器業界など複数の業界にも対応しており、各種規制や条例に適合するめっき加工を依頼できます。

丸長鍍金が対応しているめっき

丸長鍍金の会社概要

ヒキフネ

引用元：ヒキフネ 公式サイト（https://www.hikifune.com/）

ヒキフネではめっき加工の素材調達からめっき加工、さらには加工後の研磨といった表面処理まで、各種工程をワンストップサービスとして提供しています。希望するオーダーに関して図面を渡しておけば素材選定から一貫対応してもらえるため、初めてめっき加工を依頼する際にも安心感があるでしょう。単一素材を使っためっき加工に加えて複数の素材を融合させた複合めっきにも対応しており、装飾めっきのバリエーションも広くなっています。

ヒキフネが対応しているめっき

ヒキフネの会社概要

三ツ矢

引用元：三ツ矢 公式サイト（https://www.mitsuyanet.co.jp/）

三ツ矢は1931年に創業された90年以上の歴史を有するめっき加工会社です。長い事業の中で様々なノウハウやめっき加工技術を研究・開発してきており、対応可能なめっき加工の種類や素材が数多く用意されていることが強みとなっています。また、難素材や新素材、試作に対しても製品開発の段階から適切なめっき加工プランを提案してくれるため、新しくめっき加工を依頼したいと考えているクライアントにとっても安心感を抱けそうです。

三ツ矢が対応しているめっき

三ツ矢の会社概要

三和鍍金

引用元：三和鍍金 公式サイト（https://www.sanwamekki.com/）

三和鍍金は各種業界の幅広いめっき加工ニーズに応えているめっき加工会社です。また、めっき加工や研磨加工といった表面処理だけでなく、プレス加工や板金加工などの金属加工に関しても一貫体制で受注してくれることは見逃せません。複数の金属加工会社やめっき加工会社とネットワークを構築しており、三和鍍金だけでは対応が難しいめっき加工についても三和鍍金が窓口となって対応してくれます。個人からの依頼も請け負ってくれます。

三和鍍金が対応しているめっき

三和鍍金の会社概要

ここまで、錫（スズ）めっきについて紹介してきました。錫めっきについてより詳しく知りたい方は、下記の別サイトで確認できます。ぜひチェックしてみてください。

錫（スズ）めっきについて
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「めっきのめ」