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アルミに無電解ニッケルめっきはできる?

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アルミニウムは軽くて加工しやすく、さまざまな分野で使われている金属ですが、「めっきが難しい素材」としても知られています。では、そんなアルミに無電解ニッケルめっきを施すことはできるのでしょうか?

アルミに無電解ニッケルめっきは【可能】です

結論から言えば、アルミに無電解ニッケルめっきを施すことは可能です。

ただし、アルミニウムは空気に触れると自然に酸化被膜を形成するため、通常のめっきと同じようにはいきません。めっきの密着性を保つには下処理が重要です。適切なエッチング処理や亜鉛置換処理を行うことで、安定しためっき皮膜を形成できます。

無電解めっきは電気を使わず、化学反応で金属を析出させるため、複雑な形状でも均一に皮膜をつくることができ、アルミとの相性も良好です。

アルミに無電解ニッケルめっきを施すメリット

無電解ニッケルめっきを施すことで、アルミ素材にさまざまな機能性が加わります。ここでは代表的なメリットを紹介します。

耐摩耗性が向上し、摺動部品にも対応できる

アルミは軽量で加工しやすい一方、摩耗や擦れに弱い素材です。

無電解ニッケルめっきを施すことで、表面硬度が高まり(通常500〜700Hv程度)、摩擦や接触による摩耗に対して強くなります。

軽量性と耐久性の両立が求められる場面で重宝されており、たとえば自動車業界では、エンジン内部の可動部品やギア周辺の部品などに、無電解ニッケルめっきを施したアルミ素材が活用されています。

耐食性が高まり、過酷な環境でも使用可能に

アルミは自然に酸化皮膜を形成する性質がありますが、塩分や化学薬品にはあまり強くありません。無電解ニッケルめっきは耐酸性や耐アルカリ性に優れており、腐食性のある環境下でも安定した性能を発揮します。

そのため、半導体装置の部品や工場内の湿潤環境など、腐食リスクの高い現場でも幅広く活用されています。

潤滑性・摺動性の改善で、なめらかな動作が可能に

無電解ニッケルの皮膜は表面が平滑で摩擦係数が低く、異なる金属同士の直接接触によって生じる摩擦や焼き付きのリスクを低減します。

そのため、動作のなめらかさと耐久性が求められるロボットアームの関節部品やプリンター内部の駆動部品など、精密機器の可動部にも広く活用されています。

はんだ付け性・接着性が安定する

アルミは、一般的にはんだが乗りにくい金属とされていますが、無電解ニッケルめっきを施すことで表面が安定し、はんだ付けや接着がしやすくなります。

特に、電子部品の実装工程やコネクタ端子の製造ラインなどでは、作業の安定性や品質の向上に大きく貢献しています。

寸法精度を保ったまま均一なめっきが可能

無電解めっきは、電流の流れに左右されないため、凹凸のある複雑な形状でも、均一に膜厚を形成することが可能です。この特性は、医療機器や航空機の部品など、高精度と高信頼性が求められる分野で特に効果を発揮します。

美観向上と表面改質による付加価値

無電解ニッケルめっきを施すと、表面に上品な光沢や質感が生まれ、製品の印象をぐっと引き上げることができます。デザイン性や見た目の統一感が求められる製品にもよく使われており、高級感を出したい場面にもぴったりです。

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