めっき加工メディア
メッキディア-Mekkidia-

めっき加工業者を探す

【PR】めっき加工の見積もり

めっき加工業者一覧

アルミダイカストへのめっき

公開日: |更新日:

アルミダイカストは、自動車部品や電子機器の筐体、機構部品など、幅広い分野で使われている素材です。軽くて複雑な形状を一度に成形できる大きなメリットがある一方、めっきをかける場面では扱いが難しい素材としても知られています。

ここではアルミダイカスト(ADC12)にめっきはできるのか、なぜ難しいといわれるのか、そして安定した仕上がりを得るために押さえておきたい前処理のポイントについて解説します。

アルミダイカスト(ADC12)に
めっきはできる?

結論から言うと、アルミダイカストにめっきを施すことは可能です。ただし、鋳造品ならではの性質があるため、切削加工されたアルミ材と比べると、前処理や下地めっきの選び方がより重要になります。

アルミダイカストの材料にはADC12やADC10、ADC5などいくつかの種類があり、なかでも最も広く流通しているのが、シリコンを多く含むADC12です。ここから先は、ADC12を中心に説明していきます。

アルミダイカストのめっきが
難しいといわれる理由

アルミダイカストは、鋳造という製法ならではの性質からめっき加工でトラブルが発生しやすい素材です。ここでは、めっきが難しいといわれる代表的な理由を3つ紹介します。

鋳巣(ポロシティ)が発生しやすい

アルミダイカストは、高温で溶かしたアルミを金型に高速で流し込み、冷却して成形する製法です。この工程で内部にガスが閉じ込められると、表面や内部に鋳巣と呼ばれる微細な空洞ができることがあります。

鋳巣のなかに前処理液やめっき液が残ってしまうと、めっき後に膨れやシミ、腐食の原因になります。目視ではわかりにくい欠陥のため、事前の確認や封孔処理の検討がポイントになるでしょう。

シリコンの含有量が多い

ADC12はアルミ合金のなかでもシリコンを多く含む材質で、成分のおよそ9〜12%を占めます。シリコンは鋳造性や強度を高めるうえで欠かせない成分ですが、めっき加工では別の課題を生みます。

シリコン粒はアルミよりも化学反応しにくく、エッチング処理でも取り除きにくい成分です。表面に残ったままだとめっき皮膜との密着を妨げ、剥がれやピンホールの原因になりやすくなります。

離型剤や酸化皮膜が残りやすい

ダイカスト製品の表面には、金型から取り出す際に使う離型剤や、成形直後に形成される酸化皮膜が残っている状態です。切削加工品と比べると表面の状態がむらになりやすく、こうした汚れや皮膜が残ったままめっきを行うと密着不良の原因になります。

そのためADC12では、通常のアルミ材以上に脱脂やエッチングといった前処理を丁寧に行うことが大切です。

アルミニウムへのめっき加工
について詳しく見る

アルミダイカストへのめっきで
重要な前処理

アルミダイカストへのめっきでは、素材の状態を整える前処理が特に重要です。ここでは代表的な前処理工程と、それぞれの役割を紹介していきます。

脱脂と洗浄

ダイカスト製品の表面には、離型剤や切削油、手指の油分など、さまざまな汚れが付着しています。これらが残ったままめっきを行うと皮膜がきちんと定着せず、剥がれや膨れの原因になりやすい状態です。

そのためめっき加工の最初の工程として、アルカリ系や酸系の脱脂液を使った洗浄が行われます。ADC12は表面の油分が抜けにくい傾向もあり、複数段階の脱脂が採用されるケースも少なくありません。

エッチング・スマット除去

脱脂の次に行われるのが、酸性またはアルカリ性の薬品を使ったエッチング処理です。表面の酸化皮膜や不純物を溶かし、めっきが密着しやすい素地に整えます。

ただしADC12はシリコンを多く含むため、エッチング後に「スマット」と呼ばれるシリコン成分の残留物が黒っぽく残ることがあります。このスマットを取り除くために、フッ酸系や硝酸系の薬品による処理を追加するのが一般的です。

ジンケート処理

ジンケート処理は、アルミ素材の表面に薄い亜鉛の皮膜を形成する処理です。この亜鉛皮膜がアルミ素地とめっきの間に入ることで、両者の密着性が大きく高まります。

ADC12ではシリコン粒の影響で亜鉛皮膜がむらになりやすいため、亜鉛皮膜を一度剥離してもう一度形成し直す「ダブルジンケート処理」が採用されるケースも少なくありません。密着性が特に重要な部品では、この工程の有無が仕上がりを大きく左右します。

アルミダイカストに
よく施されるめっき

アルミダイカストにはさまざまな種類のめっきを施すことができますが、実際の現場で採用されることが多いのは、無電解ニッケルめっき、銅めっき、錫めっき、銀めっきです。それぞれ得られる特性が異なるため、部品の用途に合わせて選ぶのが基本になります。

無電解ニッケルめっき

無電解ニッケルめっきは、アルミダイカストへ最もよく採用されているめっきのひとつです。電気を使わず化学反応で皮膜を形成するため、部品の形状に左右されず均一な膜厚が得やすいという特徴があります。

耐食性や耐摩耗性、はんだ付け性の向上が期待でき、機構部品からコネクター部品まで幅広い用途で使われています。単独で仕上げに使うほか、金めっきや銀めっきの下地としても採用されることが多いめっきです。

銅めっき(下地)

銅めっきは、単独で仕上げに使うよりも、他のめっきを施す前の下地として用いられることが多いめっきです。柔らかく延性のある皮膜で、ダイカスト特有の凹凸をカバーし、上に施すめっきの密着性を高める役割を担います。

下地に銅めっきを入れておくと、その上に金めっきや銀めっき、錫めっきを重ねる際に仕上がりが安定しやすく、装飾性や導電性を兼ね備えた表面に近づけていけます。

錫めっき・銀めっき

錫めっきは、はんだ付け性や導電性を高める目的で使われることの多いめっきです。電子部品や端子部品など、はんだ付けが必要な用途に多く採用されています。

銀めっきは金属のなかでも特に導電性が高く、電気接点や高周波部品などに向いためっきです。ADC12へ直接施すのではなく、下地に無電解ニッケルめっきや銅めっきを重ねてから仕上げるのが、一般的な工程になります。

アルミダイカストへのめっきを
依頼するときのポイント

アルミダイカストへのめっきでは、素材の状態や使用目的によって適した処理内容が変わります。依頼前に押さえておきたいポイントを、順番に見ていきましょう。

素材のグレードや加工状態を共有する

ADC12なのか、ADC10なのか、あるいは別のアルミ合金なのかによって必要な前処理や向いているめっきの種類は変わってきます。また、鋳造まま(As-Cast)の状態なのか、切削加工が加わっている面があるのかによっても、仕上がりに違いが出やすいものです。

材料のグレードや加工方法、表面状態については、依頼時にしっかり共有しておくと、業者側も無理のない工程を組みやすくなります。図面や仕様書だけでは伝わりにくい情報もあるため、必要に応じて写真やサンプルを添えて相談してみましょう。

求める性能と使用環境を伝える

耐食性を重視したいのか、導電性を確保したいのか、それとも見た目の質感を優先したいのかによって、選ぶべきめっきの種類は変わります。「なんとなくめっきをしたい」ではなく、めっきによって達成したい機能や目的を具体的に伝えることが大切です。

屋外で使うのか、湿気の多い場所で使うのか、電気接点として使うのかといった使用環境の情報も、業者にとっては重要な判断材料になります。使用条件まで共有しておくと、めっきの種類や膜厚の提案がより具体的になるでしょう。

ダイカスト対応の実績を確認する

ダイカストへのめっきは、通常のアルミ材以上にノウハウの差が仕上がりに出やすい加工です。前処理の設計や封孔処理の対応、ダブルジンケート処理の可否など、業者ごとの得意分野には違いがあります。

見積もりや相談の段階で「ADC12でこういった部品を扱った実績はありますか?」と確認しておくと、依頼後のミスマッチを減らせます。用途に近い事例を紹介してもらえれば、仕上がりのイメージも具体的になっていくはずです。

【素材×目的別】
おすすめのめっき加工業者3選

【素材×目的別】
おすすめのめっき加工業者3選

工業・産業分野で広く使われる金属部品は、そのままだとサビやすかったり電気が通りにくい素材も。めっき加工を行うことで、素材に新たな機能性を付与することができます。金属に限らず、家電製品などのプラスチック部分にもメッキ加工を行うことで、まるで金属のような見た目にグレードアップすることが可能。
ただし、加工難易度の高い素材や部品の大きさ、希望するロット数によってはめっき加工を断られてしまうことも。ここでは、素材×目的別に、対応実績のあるめっき加工業者を紹介します。

アルミニウムへのめっき加工
前処理も施したいなら
日本電鍍工業(大阪)
日本電鍍工業画像1

引用元:日本電鍍工業公式HP
https://nihondento.co.jp/case_study/アルミニウム素材に金銀銅色のめっき/

日本電鍍工業画像2

引用元:日本電鍍工業公式HP
https://nihondento.co.jp/case_study/電子部品パーツへの部分めっき2種/

特徴

強固な膜で覆われた加工難易度が高いアルミニウム材でも、独自の前処理技術でスピーディーかつ安定した品質でのめっき処理を実現し、密着性も担保

一般的な1部品ずつ吊るす方式ではなく、かごに入れてまとめてめっき加工を行うため、1g程度の小さな部品でも対応可能

対応可能なめっき例
  • 硬質クロムめっき
  • 銅めっき
  • 電解/無電解ニッケルめっき
  • スズめっき
  • 無光沢銀めっき
銅材へのめっき加工
導電性・接触性を担保したいなら
オーエム産業
オーエム産業画像

引用元:オーエム産業公式HP
https://www.oms.co.jp/service/plating-tec/plating3/cat14/

特徴

銅の酸化・変色を防ぐためによく用いられる金・銀めっきの技術開発を行っているため、これまでにない表面特性を持った部品に仕上げられる。

部品の一部分にのみスポットめっきを行えるため、部品全体にしかめっき処理できない場合よりも金・銀の使用量を抑え、コスト調整に繋がる可能性も。

対応可能なめっき例
  • 金めっき
  • 銀めっき
プラスチック部品のめっき加工
金属のような仕上がりにしたいなら
平和工業
平和工業画像1

引用元:平和工業公式HP
https://www.heiwakogyo.com/pages/24/

平和工業画像2

引用元:平和工業公式HP
https://www.heiwakogyo.com/pages/24/

特徴

プラスチックへのメッキ加工専門業者として約60年間のノウハウを持つ。組合企業と協業し、それぞれが得意なめっきを組み合わせることで、金属光沢やサテン調、ベロア仕上げなど様々な色調に装飾可能

自社に大物と小物に分けた生産ラインを設ける。特にアミューズメント施設の大型部品などの2m×1m×0.3mの大型製品に対応できるのが特徴。

対応可能なめっき例
  • 光沢クロムめっき
  • サテン調めっき
  • 金めっき