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アルミニウムへのめっきに前処理が必要な理由

公開日: |更新日:

アルミニウムは軽量で加工しやすく、さまざまな分野で利用されている金属ですが、めっき加工が難しい素材としても知られています。その理由の一つが、アルミニウム特有の表面性質です。適切な前処理を行わない場合、めっきの密着不良や剥離などの品質トラブルにつながることがあります。

そのため、アルミニウムへのめっきでは、めっき処理そのものだけでなく、前処理工程が非常に重要になります。ここでは、アルミニウムへのめっきで前処理が重要とされる理由や、実際に行われる主な前処理工程について解説します。

アルミニウムへのめっきで前処理が重要な理由

酸化皮膜によってめっきが密着しにくい

アルミニウムは空気中にさらされると、表面に酸化皮膜(アルミナ)を形成します。この酸化皮膜はアルミニウムを腐食から守る役割を持っていますが、一方でめっきが密着しにくくなる原因にもなります。

そのため、アルミニウムへのめっきでは、表面の酸化皮膜を適切に除去し、めっきしやすい状態に整える必要があります。

不純物や油分が品質不良の原因になる

アルミニウム表面に油分や汚れ、不純物が付着していると、めっき液が均一に接触できず、仕上がりにムラが生じることがあります。また、加工工程で付着した切削油や手脂なども、密着不良や外観不良の原因になる場合があります。そのため、めっき前には十分な洗浄や脱脂処理が必要です。

前処理不足は密着不良につながる

前処理が不十分な状態でめっきを行うと、めっき層が剥がれやすくなったり、耐久性が低下したりすることがあります。

特にアルミニウムは、他の金属と比べてもめっき密着性の確保が難しい素材とされており、前処理工程が品質を左右するといっても過言ではありません。用途によっては、耐食性や導電性などの性能にも影響を与えるため、適切な工程管理が重要になります。

アルミニウムへのめっきで行われる主な前処理

アルミニウムへのめっきでは、目的やめっきの種類に応じてさまざまな前処理が行われます。ここでは代表的な前処理工程を紹介します。

  • 1. 研磨
    研磨は、アルミニウム表面の傷や凹凸、汚れなどを整える工程です。表面状態を均一にすることで、後工程の処理を安定させやすくなります。
    また、外観品質が求められる製品では、研磨によって仕上がりの美観を向上させる目的もあります。
  • 2. 脱脂
    脱脂は、表面に付着した油分や汚れを除去する工程です。
    アルミニウム表面に油分が残っていると、薬液やめっきが均一に作用しにくくなり、密着不良の原因となる場合があります。加工時に付着した切削油や汚染物質を取り除くことで、めっき液との密着性を高めます。
  • 3. エッチング
    エッチングは、アルミニウム表面を微細に溶解させる処理です。表面の酸化皮膜や微細な汚れを除去するとともに、表面を適度に粗化することで、後工程で行うめっきの密着性向上が期待できます。
    アルミニウムへのめっきでは重要な前処理のひとつです。
  • 4. スマット除去
    エッチング後のアルミニウム表面には、「スマット」と呼ばれる残留物が付着することがあります。スマットが残ったままだと、めっき不良や密着性低下の原因となるため、専用の処理によって除去を行います。この工程によって、より均一なめっき処理がしやすくなります。
  • 5. ジンケート処理
    ジンケート処理は、アルミニウム表面に薄い亜鉛の膜を形成する前処理です。表面の酸化皮膜を処理したうえで亜鉛の置換皮膜を形成し、アルミニウム表面をめっきしやすい状態に整えます。
    アルミニウムへのめっきでは、めっきの密着性を高めるために行われる特に重要な工程です。

アルミニウムへのめっきでは前処理が品質を左右する

アルミニウムへのめっきでは、前処理は単なる下準備ではなく、めっき品質を大きく左右する重要な工程です。前処理が不十分な場合には、めっきの剥離や密着不良が発生することがあります。また、外観ムラや耐食性の低下につながるケースもあります。

酸化皮膜や油分、不純物を適切に除去し、表面状態を整えることで、密着性や耐久性の高いめっきを実現しやすくなります。

なお、アルミニウムへのめっきには、前処理だけでなく素材や用途に応じためっき選定も重です。アルミニウムへのめっきの工程や種類については、以下の記事で詳しく解説しています。

アルミニウムへのめっき加工
について詳しく見る

【素材×目的別】
おすすめのめっき加工業者3選

工業・産業分野で広く使われる金属部品は、そのままだとサビやすかったり電気が通りにくい素材も。めっき加工を行うことで、素材に新たな機能性を付与することができます。金属に限らず、家電製品などのプラスチック部分にもメッキ加工を行うことで、まるで金属のような見た目にグレードアップすることが可能。
ただし、加工難易度の高い素材や部品の大きさ、希望するロット数によってはめっき加工を断られてしまうことも。ここでは、素材×目的別に、対応実績のあるめっき加工業者を紹介します。

アルミニウムへのめっき加工
前処理も施したいなら
日本電鍍工業(大阪)
日本電鍍工業画像1

引用元:日本電鍍工業公式HP
https://nihondento.co.jp/case_study/アルミニウム素材に金銀銅色のめっき/

日本電鍍工業画像2

引用元:日本電鍍工業公式HP
https://nihondento.co.jp/case_study/電子部品パーツへの部分めっき2種/

特徴

強固な膜で覆われた加工難易度が高いアルミニウム材でも、独自の前処理技術でスピーディーかつ安定した品質でのめっき処理を実現し、密着性も担保

一般的な1部品ずつ吊るす方式ではなく、かごに入れてまとめてめっき加工を行うため、1g程度の小さな部品でも対応可能

対応可能なめっき例
  • 硬質クロムめっき
  • 銅めっき
  • 電解/無電解ニッケルめっき
  • スズめっき
  • 無光沢銀めっき
銅材へのめっき加工
導電性・接触性を担保したいなら
オーエム産業
オーエム産業画像

引用元:オーエム産業公式HP
https://www.oms.co.jp/service/plating-tec/plating3/cat14/

特徴

銅の酸化・変色を防ぐためによく用いられる金・銀めっきの技術開発を行っているため、これまでにない表面特性を持った部品に仕上げられる。

部品の一部分にのみスポットめっきを行えるため、部品全体にしかめっき処理できない場合よりも金・銀の使用量を抑え、コスト調整に繋がる可能性も。

対応可能なめっき例
  • 金めっき
  • 銀めっき
プラスチック部品のめっき加工
金属のような仕上がりにしたいなら
平和工業
平和工業画像1

引用元:平和工業公式HP
https://www.heiwakogyo.com/pages/24/

平和工業画像2

引用元:平和工業公式HP
https://www.heiwakogyo.com/pages/24/

特徴

プラスチックへのメッキ加工専門業者として約60年間のノウハウを持つ。組合企業と協業し、それぞれが得意なめっきを組み合わせることで、金属光沢やサテン調、ベロア仕上げなど様々な色調に装飾可能

自社に大物と小物に分けた生産ラインを設ける。特にアミューズメント施設の大型部品などの2m×1m×0.3mの大型製品に対応できるのが特徴。

対応可能なめっき例
  • 光沢クロムめっき
  • サテン調めっき
  • 金めっき